東京以外にDCがあるレンタルサーバーを探してみたら絶望しかけた件…
首都圏を直撃した2019年台風19号で、「もしレンタルサーバー*1がダウンしてしまったら」と一瞬不安になりました。
レンタルサーバーのほとんどは東京にサーバー(データセンター)を持っています。
各社とも十分な災害対策は取っているはずですが、どんな対策にも限界があります。
そこで、東京以外にデータセンターを持つレンタルサーバー会社を探してみましたが、レンタルサーバー会社でデータセンターの場所を公表しているところはかなり少なく、探し当てるのにかなり苦労しました。
結論を先に言ってしまうと、東京以外にレンタルサーバーを借りたいならカゴヤ・ジャパンがおすすめです。
個人ブロガーのディザスタリカバリ(災害対策)
私は旅ブロガーの傍ら、プログラマーとしても時折活動していますが、近年よく聞かれるようになっているのが「ディザスタリカバリ」という言葉。
災害などによる被害からの回復措置、あるいは被害を最小限に抑えるための予防措置のこと
となっていて、まあ要するに何らかの災害(人災・自然災害)が発生した時に、できるだけ速やかに復旧できる仕組みを作っておこうね、というような意味合いの言葉です。
災害とは無縁のように思えるインターネットですが、実際にはサーバーのトラブルによってサイトにアクセスできなくなることは(頻度は少ないものの)生じています。
記憶に新しいところでは、 2019年8月23日に発生したAmazon AWSでの大規模障害。
Amazonデータセンターの東京リージョンにて障害が発生し、最大で約10時間程度のサーバーダウンが発生したと言われています。
PayPayなどAmazon AWSをサーバーに使っている多くのサービスが一時停止したことが報道されたので、よく覚えている人も少なくないでしょう。
いくら仮想世界のインターネットと言えども、現実世界でトラブルがあれば影響を受けてしまうのは仕方のないところ。
そして今回の台風19号は首都圏~関東地方を直撃し、多くの浸水被害が発生しています。
個人Wordpressブロガーも、ディザスタリカバリを考えておくのも大げさではない、ような気がします。
レンタルサーバーも東京集中の事実
さて、ディザスタリカバリの基本的な方策の一つは、「地理的に異なる場所にサーバーを複数用意しておく」こと。
東京にメインのサーバーを立てていれば、大阪(または他の場所)に予備のサーバーを立てておき、東京のサーバーが被害を受けた時には速やかに大阪の予備サーバーに切り替える、そういうイメージです。
実際、さくらインターネットではディザスタリカバリも念頭に置いて東京から遠く離れた北海道は石狩に巨大なデータセンターを設置しています。
ファイルサーバ用途など日常的にご利用頂く場合は東京リージョン、バックアップやDR対策など機械的なアクセスが中心の場合は石狩リージョンのようにご利用いただけます。
上で引用した文章でも触れているように、通常業務に使うサーバーのほとんどはレイテンシ(応答時間)などから東京に設置されていることがほとんどです。
もちろん、レンタルサーバー会社も東京都内にデータセンター(DC)を有していることが多いため、万が一東京に災害が発生したら、ということも当然考えられます。
そこで、万が一のことも考え、「東京以外」にデータセンターを置いているレンタルサーバーを探してみることにしました。
ミックスホスト
アフィリエイターが大好きなミックスホスト。料金も格安で大人系のサイトも運営できるので、人気が高いですよね。私も1つ借りて物販系のサイトをいくつか置いています。
東京都内の自家発電設備、空調/防火設備を備えた大手データセンターに設置されています。
また、24時間365日監視下で運用されています。
ミックスホストは東京都内と明記されていますね。
有名WordpressテーマCocoonの作者わいひらさんのブログ「寝ログ」によると、東京都石狩DCということなので、さくらインターネットのDCを借りているのでしょう。
データセンターは「東京」と「北海道(石狩)」にあり、それぞれデータが保存されます。
恐らくサーバー本体は東京、レプリケーション(バックアップ)を石狩に、という運用だと考えられます。
さくらのレンタルサーバー
レンタルサーバー系のアフィリエイターさんがよく紹介している、さくらのレンタルサーバー。
アフィリエイターで実際使っている人をあまり聞きませんが、さくらはレンサバ屋というよりインフラ屋さんなこともあって、ちょっとUIとかがとっつきにくいんですよね。
ただ、実は何気にほとんどのブロガー・アフィリエイターがお世話になっている会社でもあります。
さて、さくらのレンタルサーバーはどこにデータセンターがあるかというと、
さくらインターネットでは次のデータセンター(IDC)を運用しております。
北海道 石狩データセンター 2011年11月~ 大阪 堂島データセンター 2004年4月~ 東京 代官山データセンター 2006年9月~ 西新宿データセンター 2006年6月~ 東新宿データセンター 2004年7月~ なお、さくらのレンタルサーバ、さくらのマネージドサーバ、専用サーバ等のホスティングサービスではサーバが設置されるデータセンターを選択することはできません。
さくらインターネットは北海道・大阪・東京にデータセンターを置いていますが、レンタルサーバーではデータセンターを選べないようです。
エックスサーバー
安心・安全ブランドのエックスサーバー。私もメインサイトはエックスサーバーに置いています。爆速ではありませんが、それぐらい安定してるんですよね。
ただ、残念なことにエックスサーバーはデータセンターの場所を明示していません。
サーバーは電源システムや空調/防火システムを備えた、国内大手のデータセンターで365日24時間監視下に置かれています。
よくある質問 - サーバー(データセンター)はどこにありますか? | 法人向けレンタルサーバー【エックスサーバービジネス】サポートサイト
私が以前に調べた時には、さくらのデータセンターを借りている様子でした。おそらく都内でしょうね。
Conoha WING
爆速勢に人気のConoha WING。ちょっと料金は高いですが、表示速度にこだわるブロガーさんには人気ですね。私も1つ借りています。
Conoha WINGもデータセンターの場所を公開していないようですが、同運営のConoha VPSのページにヒントがありました。
日本(東京)、シンガポールの2拠点にデータセンターを設置しています。
同運営のConoha VPSが東京にデータセンターを設置しているので、Conoha WINGも同じ東京のデータセンターで運営していると考えるのが妥当でしょう。
ロリポップ
格安料金なのでとりあえずの1サイト目に利用する人も多いロリポップ。私も最初のWordpressはロリポの200円コースで動かしてました(遠い目)。
昔は「安かろう遅かろう」でけっこう評判も悪かったですが、最近はそうでもないみたいですね。
ロリポップもデータセンターの場所を明示していません*2が、上記のブログでは東京にあるさくらインターネットのデータセンターを利用しているのではないか、と推測されています。
お名前レンタルサーバー
あまり使っている人も少ない気もしますが、JPメイン取得でお世話になることの多いお名前.comもレンタルサーバーをやっていますね。
お名前.com のレンタルサーバーは、防火・防災、停電対策を完備した国内の大手データセンターで管理しております。
お名前.comもデータセンターの場所を公表していないようです。ただ、Conohaやロリポップと同じGMOグループなので、東京のデータセンターを使っている線が濃厚です。
根性で東京以外のレンタルサーバーを探してみたら…
で、「レンタルサーバー 東京以外」とか「レンタルサーバー 大阪」とか「レンタルサーバー 北海道」とか色々なキーワードで探してみたのですが、最近のGoogleは初心者向けに微妙なキーワードを除去した検索結果を返してくるので何気に欲しい情報になかなかたどり着かない。
発想を変えて、東京以外のレンタルサーバー屋さんを思いついた順に調べてみることに。
バリューサーバー
東京以外でまず思いついたのが、バリューサーバー。今はGMOグループですが、大阪に本社があるけっこう古参のレンタルサーバー会社ですね。
上でも参照させていただいたhostingstockさんがバリューサーバーの場所を推定してくれています。
ほぼ間違いなくバリューサーバーのデータセンターは東京にあるといえます。
やはりここも東京のようですね。残念…
ここまで調べてて改めて確信したのですが、ほとんどのレンサバ屋さんは自前のデータセンターなんか持っておらず、さくらのデータセンターにホスティングしている疑惑。
まあデータセンターを一棟持つというのはとんでもなく大変なことなので、当然と言えばそうなんですが。
カゴヤジャパン
これはVPSを借りて自前でWordpressインストールしかないか、と絶望しかけた時、ふと思い出したのが独立系のカゴヤ・ジャパン。
調べてみると、カゴヤ・ジャパンは京都府内某所にデータセンターを設置していて、しかも水害にも強いエリアとのこと。
大阪市内/京都市内から45分以内にアクセス可能で、利便性が高いエリアで運営しております。
また、京都の内陸部で、付近の1級河川から50mの高台にあるため津波・洪水の心配もありません。
カゴヤジャパンはもともと京都発祥の会社で、創業場所の近くにデータセンターを設置しているようです。*3
VPSやクラウドなら東京以外も選べるが…
例えば、さくらのVPSと言ったサービス*4では大阪リージョンや石狩(北海道)リージョンを選ぶことができます*5。
ただ、これはまっさらのLinuxを借りるサービスなので、ここにWordpressやMySQLをインストールし、ファイヤウォールを設定して…というのは初心者には到底無理な話です。
心配性な人は災害対策にカゴヤのサーバーを借りておこう
一通り大手レンサバ屋さんは調べた(はず)なので、ここまでで探索は終了することに。
結論としては「東京以外の国内(Wordpress)レンタルサーバーを借りたいならカゴヤ・ジャパン一択」ということになりました。
カゴヤ・ジャパンのレンタルサーバーはWordpressとMySQLを別々に設定する必要があるなど、ちょっと初心者向きではない部分もありますが、ヘルプを読みながら設定すればなんとか自力でサーバーを立ち上げることもできなくはないと思います。
まあ東京都心部が浸水するなんてことになれば、ブログやアフィリエイトなんて言っている場合ではなくなる可能性もありますが…
例えば全体的な被害はそれほどでもなかったけれど、停電時の電源切り替えに失敗して自分のサーバー会社だけ落ちてしまう、なんてことも十分あり得る話ですしね。
私のように心配性の方は、カゴヤ・ジャパンのレンタルサーバーにバックアップサーバーを動かしておいて、いざとなったらDNSの切り替えできるようにしておくと安心かもしれません。